3連休最終日の昨日、恵比寿ガーデンシネマで上映中の「雨月物語」を観にいってきました。ガーデンプレイスに到着したのは朝9時。三越もまだ開店前で人通りも少なく、いつもと違う場所に来ているかのような静けさでした。 カラっと晴れて爽やかな日で、歩いていてとても気持よかったです~♪ 早朝だというのに、映画館は老若男女で満席になっていました。 「雨月物語」は溝口健二監督の1953年の作品です。溝口監督の映画は、「近松物語」をTVで断片的に観たことがあるだけで、きちんと観るのは今回が初めて。 映画は想像を絶する素晴らしさで、ただただ圧倒されてしまいました。 芸術的な映画には、堅苦しかったり難解なものも多いですが、この作品は全く違いました。人間の愚かさや悲哀といった普遍的なテーマを描いており、一つ一つのカットに全く無駄がなく、幻想的で幽玄な映像もこの上ない美しさで、終始スクリーンに釘付けでした。 雅楽を取り入れた早坂文雄の音楽も、しっとりとした映像にぴたりとはまっていました。 撮影を担当した宮川一夫は、この時代の数々の傑作を撮った名カメラマンだそうです。 少年時代から墨絵を習い、風景を陰影でとらえる眼力を鍛えていたとのことで、 なるほど~と頷いてしまいました。 主演の森雅之をはじめとした俳優陣の演技も見事でした。特に田中絹代は、その可憐な風貌も、個性的で穏やかな声で紡ぎだす言葉も惚れ惚れするほど素敵で、本当に存在感のある素晴らしい女優さんだなと、あらためて思いました。また、京マチ子の怪しい美しさも印象的でした。 小沢栄(後の小沢栄太郎)、は私には悪役のイメージが強いのですが、本作ではおっちょこちょいで憎めない男をコミカルに演じていて、新鮮でした。 素晴らしい映画に出会えて本当に嬉しい!他の溝口作品もこれからどんどん観ていきたいと思います。 映画の後は、ランチをとろうと Cafe Delightへ向かいました。だいぶ迷ってやっと辿りついたのにお休みでがっくり…。恵比寿在住の料理研究家の方のおすすめ店で気になっていたのです。でも、迷っている間に偶然同じ方のもう一つのおすすめスポット、Italian bar 「bacco」を発見したので、そちらへ行くことに。 めずらしく昼間からグラスワインの白を飲みましたが、飲みやすくて美味しかった♪ バジルをたっぷりつかったフジッリはちょうどよい味付けで、パンも美味でした。 他のお料理も食べてみたいので、恵比寿に来たらまた寄ってみようかな。 外苑前にあるワタリウム美術館へ、「さよなら ナム・ジュン・パイク展」を観に行ってきました。今年の1月に急遽した現代美術家 ナム・ジュン・パイクの追悼展です。 ビデオアートの先駆者として国際的に活躍された方ですが、これまでそのお名前すら知らず、アート それも現代美術の知識など全くない私には、猫に小判かも・・・と思いながら出かけました。 2時間近く観て回ったでしょうか。作品の他に、1993年にTBSのニュース23でオンエアされた、筑紫哲也との対談のVTRを観ることができました。 サスペンダーを着け、微笑みながらソフトな口調で話す、愛らしい風貌の人でした。 パンフレットの中で、パイクが東京で必ず泊まっていた千鳥ヶ淵にあったホテルの社長をされていた方がこう書かれています。 「ビデオインスタレーションは電子映像器具などを使うので、何か無機質なものになるのではないかと思っていましたが、パイクさんの作品を見たり、触れたりしてすごく人間を感じさせることがわかりました。パイクさんは何時も生きる喜びを感じられておられたのではないかと思います。それが千鳥ヶ淵を歩く後姿にも表れていましたし、作品もそれを表現しているのではないかと思います。」 私もその通りだと感じました。 現代美術というと、前衛的で近寄りがたいと思ってしまいますが、パイクの作品は、とても親しみ易いのです。芸術性と大衆性を併せ持つと言われていますが、正に言い得ていると思いました。観に行って本当によかった。 ワタリウム美術館は開館して16年にもなるそうですが、今回初めて訪れました。 最近その存在を知り、気になるアーティストであるヘンリー・ダーガーの本格的な回顧展を日本で初めて行ったのもこちらであること、他にも過去に多くの興味深い催しがあったことを知りました。今後はぜひ頻繁に通いたいと思います。 美術館を出た後、すぐ近くにあるカフェFlaneurへ寄りました。こちらも初めてでしたが、フランボワーズ&ピーカンナッツのガトーショコラ が美味しかったです。ジャン・コクトーの絵本「おかしな家族」やムーミンの本などがさりげなく置かれ、ちょっと大きめのボリュームで心地よいジャズが流れていて、なかなかよい雰囲気。紅茶はポットにたっぷり3杯分はあるので、ゆっくりしたいときにおすすめです。今度はランチを食べに来てみたいです。 ![]() ![]() 先程、テレビ東京の「美の巨人たち」を観終えたところです。 今回取り上げられたのは、銅版画家 南桂子。 つい先日、作品集「bonheur」を買ったばかりなので、番組がとても楽しみでした。 この人の作品は、花を抱えた少女、木々、小鳥、お城などがシンプルな構図で描かれているのですが、決して可愛らしいだけではありません。少女のなんともいえない表情や、独特の優しい色彩は、郷愁や哀愁をも感じさせます。 43歳の時、銅版画家の浜口陽三との生活を選び、4人の子供を日本に残して渡仏。パリで銅版画をはじめ、93歳で亡くなるまで同じモチーフを描き続けました。 一体どんな思いで描いていたのだろう・・・。少女たちの表現し難い表情は、自身が制作を続けながらずっと持ち続けた懺悔?や様々な思いの表れなのか。 背景を知った上で作品を見直してみると、今まで以上に胸が苦しくなりました。 作品の不思議な魅力の秘密がほんの少しだけわかったような気がします。 昨日、祐天寺のカフェ margoへ、Dois Mapasのライブを観にいって来ました。
ヴォーカルの木下ときわさんのソロ・アルバムを少しだけ聴いたことがあり、気になるアーティストでしたが、Dois Mapasの音楽を聴くのは今回が初めてでした。 オリジナル曲の他にボサノヴァのスタンダードナンバー、美輪明宏の「ヨイトマケの唄」、イタリアの曲で岩谷時子が訳詩した、越路吹雪の「ケサラ」等を披露してくれましたが、どれも本当に素晴らしかったです。 特に「ヨイトマケの唄」の熱唱は感動的でした。 それから、アンコールで、イーディ・ゴーメバージョンで大好きになった「One Note Samba」を歌ってくれたのもとても嬉しかった~。 木下ときわさんは、深みがあってボサノヴァにピッタリのとても魅力的な声の持ち主ですが、容姿も本当に美しい方で、うっとりと見とれてしまいました。 作詞・作曲とギターの新美博允さんのほのぼのトークも楽しかったです。 最高に素敵なライブでした。 帰りにアルバム「極東組曲」を購入し、お二人にサインをいただくことができ、大満足♪ 会場となった margoは、10人ほどでいっぱいになってしまう、小さな小さなカフェなのですが、前回初めて食事をしに訪れて、一度で気に入ってしまいました。 玄米カレー等の料理や自家製パン、ケーキも美味しく、お店の方の応対も温かくて、友だちの家でごちそうになっているような気分になれる、居心地のよいカフェです。 次回はぜひ人気のケーキmargoを食べてみたいな。
東京都写真美術館で「アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶」を観てきました。20世紀最大の写真家と呼ばれたカルティエ=ブレッソンが、自分の作品や人生について語るドキュメンタリー 。 私はこれまでにブレッソンの写真集や写真展を見たことがなかったのですが、この映画を観て、ブレッソンの写真とブレッソンという人が大好きになりました。 パリの自宅のアパルトマンで、自身の作品を一枚一枚手にし、子供のように眼をキラキラさせながら楽しげに撮影当時のエピソードを語るブレッソン。 どれもこれも完璧な構図の見事な作品ばかり。 シンプルだけれど深みのある言葉の数々。 バックに流れる彼の大好きなバッハ等のピアノ曲も映像と絶妙にマッチしていました。 各界の著名人達のポートレイトも素晴らしかったです。 私たちの知る彼らの顔からは想像もできない素の顔を引き出す名手だと思いました。 中でも、レナード・バーンスタインの写真が特に印象的でした。また、マリリン・モンローも何とも言えない美しい表情を湛えていました。 他にも、マティス, カミュ, ジャコメッティ, カポーティ, ピアフ, ボーヴォワール, コレット等 どれも見ごたえ十分で特にファンの方は必見ですよ。 好きな絵画を観ていたブレッソンが「傑作を見た後は、一杯やるしかない」と呟いたのですが、この映画は観た後は、 まさにそんな心地良い気分になりました。 シネクラブKino Igluの上映会に行ってきました。会場は、運河に面した古びた洋館の一室に新しくオープンした森岡書店という素敵な古書店。 趣のある建物に入り、お店のある3階まで階段を上がっていく間、なぜかハーブの香りが立ち込めていました。 絞りたての巨峰のジュースとクッキーをいただいた後、映画の上映開始。 今回の映画は、エリック・ロメール監督の「友だちの恋人」(1987年)でした。 物語はというと・・・ 舞台はパリ郊外のニュータウン、セルジーポントワース。初夏のある日、市役所に勤める24歳の女性ブランシュはレアという22歳の女子大生と知り合い、一緒にプールへ出かけることに。そこに泳ぎに来ていたレアの友人アレクサンドルに出会ったブランシュは一気に心を奪われる。そしてレアとうまくいってないファビアンまでがそこに加わり…(kino Igluの紹介文より) よくあるラブストーリーなのに、ロメールが撮るとどうしてこんなに魅力的な作品になってしまうのでしょう。会話があまりにも自然で、まるでドキュメンタリーを観ているかのよう。淡々としているのにどんどん引き込まれていきます。 ロメール映画の中でも特に好きな作品です。 セルジーポントワースという美しい町も見所の一つ。ブランシュとファビアンが湖でウィンドサーフィンをしたり、森を散歩するシーンはうっとりするほど素敵です。また、銀座の資生堂ビルを手がけたスペインの建築家リカルド・ボフィルの設計した集合住宅も見ることができます。 観終わった後は、なんだかとても爽やかな気分になって、小旅行にでも出かけたくなってしまいました。今の季節にぴったりかもしれません。 この映画を初めて観たのは、以前六本木にあったシネ・ヴィヴァンで初公開された時でした。10代でまだ恋愛もしたことのなかった当時の私はどんな気持ちで観ていたのかな。一緒に来た友人が隣で眠ってしまったことも懐かしく思い出しました。 今回付き合ってくれた友人は最後まで堪能してくれました~(笑) 映画の後、その洋館のすぐ近くにある橋から川を眺めました。とっても気持ちよかった♪ お散歩するのに良さそうなところなのです。今回は夜遅かったので、また今度ぜひ訪れてみたいと思います。 ![]() ![]() フォルカー・シュレンドルフ監督の映画「VOYAGER」が大好きです。 原作は、マックス・フリッシュの「アテネに死す」。 サム・シェパード、ジュリー・デルピー主演のとっても切ないお話ですが、二人ともそれはそれは魅力的なので、どちらか一人でもお好きであればきっと楽しめる作品だと思います。 ジュリー・デルピーは、レオス・カラックスの「汚れた血」で気になる存在になり、この映画で大ファンになりました。 残念ながらDVD化されておらず、観たのは公開当時一度きり。 せめて、この中で流れていた ドイツの歌姫 ウテ・レンパーの Careless Love Blues がもう一度聴きたい。サントラ買えるかしら と検索を始めると・・・ん?! このジャケット見覚えあるなぁ。。CD棚をごそごそ。 ありました~!!持ってたのねー。サントラはそんなにたくさん持っていないのに、すっかり忘れていました。 久々に聴くことができて、感動・・。 やっぱりいいなぁ。 音楽を手がけたのはスタンリー・マイヤースですが、ラストで流れるウテ・レンパーの歌はハンディ作曲とあります。 しっとりとしたバラードの名曲です。 このCDは(もう廃盤になっているようですが)、フォルカー・シュレンドルフ傑作映画音楽集で、「VOYAGER」と「ブリキの太鼓」の二つが収録されています。 「ブリキの太鼓」の音楽はモーリス・ジャール。こちらも素晴らしい!!モーリス・ジャールは「アラビアのロレンス」の音楽も手がけていて、そちらも大好きなので、私の好みに合っているのかな。「ブリキの太鼓」はカンヌでパルム・ドールを受賞している名作ですが、未見なのでぜひ一度観てみたいです。 ウテ・レンパーの Careless Love Blues は、こちらのベストで聴くことができます。 ![]() 1968年イタリア映画 パスカーレ・フェスタ・カンパニーレ監督作品 6年前にリバイバル上映されたようです。 私は昔一度TVで観ましたが、久々にDVDで鑑賞。 若くして未亡人となったミミ(カトリーヌ ・スパーク)はある日、亡き夫が残した秘密の部屋で、思いもよらない女たちとの情事を重ねる夫のビデオを発見。あの夫がなぜ?男というものは誰でもあんなことをするの?探究心に燃えるミミの華麗なる男性遍歴が始まった・・。 アルマンド・トロヴァヨーリの音楽、ミッドセンチュリーモダンのインテリア、60'sファッション、どれをとってもおしゃれで大好きな作品です。 カトリーヌ・スパークは本当に何を着てもカワイイ☆ テニスの時の白い花びらのようなワンピース。夫の隠し部屋を訪ねる時のツイードのケープ。大学生になりすまして講義を受ける時の眼鏡スタイルなど とっかえひっかえしてくれるので、それを見ているだけでも楽しい! カウボーイハット一つで、胸をおさえて診察台にいる姿に思わずクスっとしてしまうけど、この人がやると全然いやらしくなくて、むしろ自然な姿にみえてしまうから不思議。 ストーリーも途中までは、このままおバカなまま終ってしまうの?と思いきや、ジャン=ルイ・トランティニャン扮する医者デ・マルキが登場する後半あたりから面白くなってきます。 ミミの秘密を知っても少しもたじろぐことなく、全てを受け入れてプロポーズする一枚上手なデ・マルキ。大人だし包容力あるしホントにカッコイイ~。 トランティニャンは本国フランスでは超大物なのに日本ではいまひとつ評価されていないのはなぜなんでしょう。私は一番好きな俳優なんだけどな・・・。 久々に観たら、またテーマ音楽が頭を離れなくなってきました。 サントラも欲しい~。
足あと帳を作ってみました。
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すっかりさぼってしまいましたが、再開したいと思います。
マイペースで続けていきます。 --- ![]() 先週末、映画「プライドと偏見」を観てきました。 原作は私の一番の愛読書、そしてBBC製作のドラマ「高慢と偏見」も大好きなので、 期待と不安の入り混じった複雑な心境で出掛けましたが、こちらもなかなか よかったです~。 18世紀末のイギリスの田舎町を舞台にした、ありふれた展開のラブストーリーですが 個性的な登場人物たちのやりとりが楽しく、田園風景の映像や音楽も美しくて 見所満載です。 キーラ・ナイトレイ扮する主人公のエリザベスは、読書好きで才気溢れる女性。 思ったことをズバズバと口にするので見ていて気持がよく、 家族思いの優しいところも持ち合わせていてとっても魅力的です。 エリザベスに思いを寄せる大富豪のダーシーは、ドラマ版のコリン・ファースの イメージが強いけれど、こちらのマシュー・マクファディンもピタリとはまっていました。 朝もやの中から現れるシーンが素敵です。 そして父親役のドナルド・サザーランド。いつもとぼけて周囲のことに興味がなさそうで、 実は娘の幸せを心から願い優しく見守る父を味わい深く演じています。 映画を観て興味を持たれた方には、ぜひ原作を読んでいただきたいです。 ジェーン・オースティンの「自負と偏見」(原題:Pride and Prejudice )は、 サマセット・モーム著「世界の十大小説」に取り上げられています。 その中で、オースティン作品についてこう書かれています。 「どの作品にもこれといって大した事件は起こらない。それでいて、あるページを 読み終わると、さて次に何が起こるのだろうかと、急いでページを繰らずには いられない。ところが、ページを繰ってみても、やはり何も大したことは起こらない。 だが、それでいて、またもやページを繰らずにはいられないのだ。」 まさにそのとおり! 200年も前にこのような小説が書かれていたとは驚きです。 少しも古びたところがなく、繰り返し読んでも楽しめます。 「高慢と偏見」という題でも訳されていますが、「自負と偏見」中野好夫訳(新潮文庫版)が お薦めですよ~。 そして・・映画の後は、洋食店「銀座キャンドル」にて夕食。 私の誕生日を過ぎたばかりだったので、同僚のSちゃん、Mちゃんに祝ってもらいました。 お料理も美味しく、内装の感じも好みでした。ただ、接客の方があまりにそっけなく、 ちょくちょくやってきては、まだ料理の残っているお皿まで片付けてしまったのが 少し気になりました。 自由が丘店もあるそうなので、そちらにも行ってみたいと思います。
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